奥山高原の栽培自然薯

奥山高原では平成15年から自然薯栽培をはじめました。
コンセプトは

「生で食べるものだからこそ、安心して食べられる自然薯」

です。

そのために日本農林規格・有機JASマーク取得を目指し、安心して食べられる自然薯の生産に取り組んでおります。

自然薯栽培の取り組み

1.防虫防薬中間マルチング・ダクトシステム静岡方式(静岡方式)
通常、自然薯栽培といえばパイプ栽培(慣行栽培)とされています。しかしながら、表皮の黒い肥料焼けや異臭、灰汁の発生しやすいなど、より良い自然薯の栽培のためには限界があります。そこで、私たちは静岡自然薯研究会で行われている“防虫防薬中間マルチング・ダクトシステム静岡方式”を採用しています。

慣行パイプ栽培法…クレバーパイプを半月状に切り、その上に種芋を植えることで、自然薯がパイプに沿って育つ、掘り取りやすく、比較的まっすぐな自然薯が栽培できます。肥料に鶏糞などの堆肥や農薬を使うことがあります。それらはパイプの切れ目や開口部から入って、表面が黒くなったり(やけ)、匂いがついたりすることがあります。

 

防虫防薬中間マルチング・ダクトシステム静岡方式…波板の上に“ダクト”と呼ばれる厚めビニールの筒を置き、マルチ(ビニールなどで上を覆うこと)をして、その上に種芋を植え付ける。新生薯はすぐ下のマルチを破り、ダクト(中は無菌の土が入っている)の中で成長するので、病気にかかりにくく、肥料による“やけ”やにおいがつきにくい


2.静岡方式は自然に学んだ自然薯づくり
自然界では、落葉が堆積し、分解して腐葉土となります。自然薯はこの腐葉土からわずかな養分を吸収し、成長します。天然の自然薯は多くの場合、腐葉土層に“ほづ”(薯の上部先端から約10cmあたりのところ)部分があり、貯蔵根であるイモは、粘土層(土の中0.3〜1.2mのあたり)の中にあります。地上部からの分解物などの影響はこの粘土層にさえぎられます。
この静岡方式は、粘土層の阻止効果を中間マルチとダクトに持たせた方式です。

3、生態系農法とは
私たちは静岡方式とあわせて、生態系農法を採用しています。それは

@  化学合成農薬や化学肥料は使わない

A  鶏糞、畜糞、汚泥などで作った肥料や堆肥は使わない

B  土作り・肥料・防除には腐植質土、植物活性液、有機発酵肥料、安全な植物保護液を使う

これらのことを行うことで、肥料やけのない色白できれいな姿や摩り下ろしても灰汁が少なく、異臭もほとんどない、自然薯を作ることができます。

4、有機JAS取得のために

有機JAS規格の認可はとても難しく、審査も厳しいものです。審査対象は畑の土はもちろんのこと、作業場や使う道具、使う肥料や農薬、さらにその周辺環境まで厳しく選ばなければなりません。また、植え付けから収穫、出荷までの作業を記録し、保管することで、いつ植えたものか、どうやって管理したか、収穫の時期は?などがわかるようにする(これをトレーサビリティと言います)必要があります。

これらのことを行うには静岡方式と生態系農法をあわせたやり方は、欠かせない方法だと思っています。トレーサビリティに関しても収穫した自然薯には番号が付けられ、今、食べている自然薯がどのように作られたか、調べられるようにしています。

 

自然薯の話

自然薯は当たり前ですが植物です。辞書で調べると“ヤマノイモ属ヤマノイモ科ヤマノイモ”(学名Dioscorea japonica)で別名“自然薯”と記してあります。普段、食べているのは根の部分で正確には貯蔵根(養分を蓄えておくために特殊な形をした根)です。サツマイモやジャガイモと同じものとお考えください。ですから、自然薯も春になれば新しい芽が出てきます。

根の部分とは、ほかに食べる部分で“むかご”があります。これは、よく“実”と紹介されていますが正確には“葉の付け根にできる球状の芽”です。でも、むかごも植えれば、新しい芽が出て自然薯ができるので、わかりやすく言うと“実”といえます。では、本当の“実”はどんなものかというと、3枚羽の薄い丸い膜で、その中に種があります。“実”自体は食べるところはありません。というわけで、イモでも、むかごでも、種でも増えていく事ができる植物なのです。

自然薯の主な成分は炭水化物で、でんぷん質やマンナンが多く含まれています。でんぷん質の多い食品は消化が悪いため、加熱して食べますが、自然薯にはアミラーゼと呼ばれる消化酵素が含まれているため、生で食べることができます。この消化を助けるアミラーゼが一緒に食べた物をゆっくりと消化するため、エネルギーの持続性が期待されます。